上場会社と新興市場
株取引を始めると、新聞やテレビの広告などで目にする会社の情報が気になり始めます。
よく見かける企業の株を買ってみたいと思うこともあるでしょう。
たとえば、洋酒メーカーのサントリーに関して、一般の人が株の購入をしようとしても買うことはできません。
これは、サントリーが株式市場で株を自由に売り買いできる会社(上場会社) ではないからです。
2013年5月28日 「サントリー食品上場へ」
サントリーホールディングスの清涼飲料を扱う連結子会社、「サントリー食品インターナショナル株式会社」の東京証券取引所における上場が承認されました。 上場予定日は7月3日とのこと。
上場会社と非上場会社
国内の法人登記されている会社は、約250万社といわれていますが、そのうち、株式を上場しているのは約4,000社ほどで、新興市場企業が約1,300社しかありません。
非上場会社の多くは規模の小さい会社ですが、有名な大手企業でも上場していない会社は少なくありません。さきほど例としてあげたサントリーもその1つで、出版社や新聞社の多くも株式を上場していません。
非上場会社の場合、株を購入できるのはオーナー一族や従業員、取引先など一部の関係者に限られます。一般投資家が株主として経営に参加せず、独自の経営方針を維持しやすいことが、株式を上場しない有力な理由といえるでしょう。
上場すれば、株式市場で新株を発行して、一般投資家からまとまった事業資金を調達できるほか、会社の知名度や信頼度の向上にも役立つという利点があるのです。
特に、ベンチャー企業の場合、オーナー経営者は自らの持ち株の一部を市場で売却することによって、多額の利益を得ることもできます。
上場するには、発行済み株式数、株主数、自己資本、利益などについて一定の基準を満たすことが必要です。東証、名証には「第一部市場」と「第二部市場」がありますが、第一部市場の方が基準は厳しくなっています。 企業にとっては、「一部上場」が1つのステータスになっているのは、厳しい基準をクリアして上場が認められたからなのです。
新興市場
主に成長性の高いベンチャー企業が上場している、新興市場と呼ばれる市場があります。
主に東京証券所のジャスダック、マザーズ、名古屋証券取引所のセントレックス、福岡証券取引所のQ-Board、札幌証券取引所のアンビシャスなどがあげられます。
これらの新興市場の特徴は、一般の一部市場や二部市場に比べ、上場基準が緩やかであることです。 例えば、東証マザーズの場合、赤字企業でも基準を満たせば上場することが可能です。このため、規模は小さいながらも、独自の技術やビジネスモデルを持った将来性のある企業が多数上場しています。
その一方、経営基準が不安定で、業績が急速に悪化したり、最悪の場合、倒産するリスクも大きいといえます。
こうした会社の特徴を反映し、株価の触れ幅が大きいことが特徴といえるでしょう。 新興企業株は、将来の成長の可能性という魅力があるとはいえ、一般の株式よりもさらに「ハイリスク・ハイリターン」の度合いが大きく、投資経験のあまりない株の初心者の方は、投資になれるまでは避けた方がいいでしょう。
逆に値動きが軽いので、株式投資に慣れてきたら利益を出しやすくなるとも言えます。
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